「 お米ボタンの話 」その3

お米ボタン探しは簡単にはいきませんでした。
まずはデザイナー仲間に電話。
「お米ボタンを探してるんだけどあるかなぁ」
「お米ボタン!?笑」のおきまりの反応から、常々会話はいつもスタートしました。
頂いたボタンはデッドストックで他にはないという。
新潟の生地屋さん、知り合いのボタン屋さん、インターネットでも探してみましたがなかなか見つかりません。
楕円形のボタンだけでもグッと焦点がしぼられ、
透明感と色味のこだわりは更にゾーンを狭くしました。
東京へ行った際には服飾関係の人なら知らぬ者はいない生地や資材が豊富な日暮里。
向かい色んなボタンをみましたが箸にも棒にもかからずでした。
これはつくるしかないか!!!
新潟ならではな素材と一緒にものづくりできれば絶対おもしろい!!
と思い、まずは友人を通じて日本有数の金物や金属を生産する三条の金属を扱う企業に問い合わせました。
話をきくと「できないことはない」ということでした!
しかし、色々と問題が浮上。
まずは重さ。金属であるが故に通常のボタンより数倍重くなってしまう点。
次にコスト面。1個あたり400〜600円かかってしまう。
UTOPIAのシャツは7〜9個使うので、ボタンだけで2800〜5400円。。。これはまずい。。
別の友人に。こちらは3Dプリンターを活かしたボタンづくりが出来ないか打診。
こちらもできないことはないみたい!
こちらも問題が浮上。
まずは時間。ひとつのボタンをつくるのに3~4時間かかってしまう(3Dプリンタもまだまだ発展途上のよう)
そしてコスト面。こちらも金属と同等の費用がかかってしまうという。。
なかなか思うようには進まないと思いながらも色んな方に相談していました。
そんな中、
友人から一報が、「もしかしたら浅草橋にあるんじゃない?」
東京の浅草橋ではアクセサリーや小物等の資材が豊富にあるのが有名で、そこにボタンもあるのではないかという話でした。
ちょうど東京での用事があり、
用事終わりにお米ボタンを求めて浅草橋を探索してみました。
ななななんと!!!1件目のボタン屋さんで発見!!!!!
思わずあっ!!!と声を出してしまうくらい。。
恥ずかしい気持ちを言葉に乗せて、「お米ボタン探してたんです」
「お米ボタン?!なんですか?笑」と言われアタフタと説明しました。
「なるほど!新潟だからね。」のそれは、説明により「なるほど!」の深さが表情でわかりました。
「新潟からお米ボタンを探しにきたデザイナー」と覚えてもらえたようです。
白米と黒米の2種類 1000個を注文して東京を後にし、
その後メールでのやり取りではその話が持ち上がりました。
説明はこう。
「 新潟には300年の歴史のある越後木綿「亀田縞」というのがあって、野良着という田畑を耕すために着られた農作業着に使われた素材です。米どころを支えた亀田縞を現代の人々の生活に溶け込むような服づくりがしたくて、僕はその亀田縞でシャツをつくりました。ただのボタンじゃなく、お米ボタンは、新潟ならではで楽しいなと思いすっごい探していました。 」
クスッと笑いが起こるボタンの在り方はUTOPIAの一つのスタイルとなってきています。
追記
縦型の楕円である為、
ある時期をこえてからボタンホールは横にしました。
これもUTOPIAならではなスタイルです。
おしまい。

11月24日に開催されるファッションショーも近くなってまいりました。
「 海 」がテーマとなる今回はSea Point NIIGATA という海の家が会場です。
今回の旅はどんなものになるのか楽しみにしていて下さい。
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